プロと交流、技術や精神学ぶ タイ・リーグの日本人2選手 宇検村でスポ少サッカー練習に参加

2023年06月11日

地域

子どもたちの練習を見守る小野悠斗選手=10日、宇検村総合体育館

タイのプロサッカーチームに所属する日本人選手2人が10日、宇検村総合体育館で地元スポーツ少年団の練習に参加した。スポーツを通じた社会貢献活動の一環。2選手は子どもたちとともにプレーし、楽しみながらプロの技術を披露した。子どもたちと会話を交わす中では、精神面のアドバイスなども伝えた。

 

この交流企画は、同村シマッちゅ見習い隊(地域おこし協力隊)の麻生川昌平さん(24)が所属する一般社団法人アチーブエイト(本社・大阪府)が地方創生、教育推進事業の一環で主導。麻生川マコ代表理事がタイで親交を深めた2選手に奄美大島を紹介した。

 

子どもたちとともにプレーする村上一樹選手=10日、宇検村総合体育館

来島したのはタイ・リーグ2部「チェンマイ・ユナイテッドFC」の小野悠斗選手(31)と同2部「アユタヤ・ユナイテッド」の村上一樹選手(35)。ともにJリーグの「FC岐阜」への所属経歴がある。

 

小野選手は神奈川県出身。高校卒業後、メキシコでプロ入り。FC岐阜を経て、20代終盤に社会経済・スポーツ両面で発展著しい東南アジアのタイに身を移した。サッカー教室など後進育成にも取り組んでいる。

 

村上選手は愛媛県出身。タイでは医療・教育を満足に受けられない地域の支援などにも関わり、時にはサッカーを通じて「夢や希望を持つことの大切さ」を伝えている。

宇検村で2選手と10日に練習したのは「小宿FC」(奄美市名瀬)と「マテリヤスポーツクラブ」(宇検村と大和村)の小学生や社会人ら約50人。小野、村上両選手は「考えて」「楽しんで」と子どもたちに声を掛け、プレーを通じてプロの立ち回りを見せた。

 

練習後、子どもたちからサッカー上達の秘訣(ひけつ)を聞かれた小野選手は「誰よりもサッカーを愛し、練習すること。応援されるような人間性も欠かせない」と助言。村上選手も「日常生活の一つ一つを怠らず、人としても成長してほしい」と激励の言葉を送った。

 

試合形式の練習などで積極的に2選手とプレーした小宿FCの隈元亮磨君(小宿小5年)は「プロはやっぱり視野が広くて、タッチが丁寧だった。ボールを持っていない時の動き方などをもっと練習したい。自分も将来は海外でプレーしたい」と目を輝かせた。