女性パワーで地域おこし かーちゃんサミットin奄美大島 奄美市笠利町

2023年06月11日

社会・経済 

全国から元気いっぱいの女性たちが集まった「かーちゃんサミットin奄美大島」=10日、奄美市笠利町

九州を中心に全国の中山間地や離島で、女性主体の地域づくりを進める起業家らが一堂に会する「かーちゃんサミットin奄美大島」が10日、奄美市笠利町のホテルで開かれた。2014年の熊本市での開催を皮切りに毎年各県持ち回りで開かれ、奄美での開催は10年目で初。島内外から駆けつけた元気自慢の「かーちゃん」ら約100人が、起業の大変さや工夫などの情報を共有し、交流を深めた。

 

少子高齢化や過疎化対策が課題となる中、女性主体の地域づくりを進める関係者が意見交換をしたり、課題解決のヒントを探る場として始まった同サミット。8回目の今回は、有志で集まったかーちゃんサミット実行委員会と奄美市の共催で開かれた。

 

島外から約10団体の関係者が訪れ、奄美大島からは女性起業グループ4団体でつくる「魔女っ娘あまみ」(「味の郷かさり」「あしたば園」「NPO奄美ティダの環」「奄旨海房魚匠」)の関係者ら約40人が参加した。

 

1部のサミットでは、奄美市名瀬小浜町でパン工房「夢来夢来」を運営する社会福祉法人三環舎あしたば園の向井扶美理事長が話題提供。障がいのある子どもの母親たちを支える療育に取り組んできた経緯や、障がい者が自立して働くために商品作りに取り組む現状を報告した。

 

トークセッションでは「味の郷かさり」(奄美市笠利町)代表の吉田茂子さんと、奄美市住用町でタンカンの加工に取り組んでいた師玉洋子さんら6人が登壇。経営を継続させる困難さや行政との関わりについて意見を発表した。

 

起業後数年で行政からの援助が切れてしまう時期の乗り越え方について師玉さんは「行政からはお金の支援だけでなく人とのつながりや縁があったから続けられた。同じ加工業を続ける他事業者と気持ちでつながることが大事だった」と話した。

 

かーちゃんサミットの意義について吉田さんは「いろんな情報をもらうことができ、気楽に話せるありがたい場所。今後はいろんな世代を巻き込んで活動にいかしていくことが必要では」とコメントした。

 

2部の懇親会では奄美の郷土料理が振る舞われ、島外の参加者は奄美の食文化に触れつつ笑顔で参加者同士の親睦を深めた。