ロードキル対策に1000万円 信金中金が奄美市へ寄付

2022年03月02日

地域

安田市長へ寄付金目録を手渡した原田支店長(左)と伊東理事長(右)=1日、奄美市名瀬

信金中央金庫(柴田弘之理事長、本店東京都中央区)はこのほど、奄美市へ企業版ふるさと納税として1000万円を寄付した。創立70周年記念事業の一環で、アマミノクロウサギなど希少動物のロードキル(交通事故死)対策に活用される。1日に目録贈呈式があり、信金中金南九州支店の原田榮郎支店長は「市のプロジェクトはSDGs(持続可能な開発目標)の推進、地域創生に有益な事業になると確信している」と期待を寄せた。

 

信金中金は信用金庫の中央金融機関。70周年を迎えた2020年度に地域創生推進スキーム「SCBふるさと応援団」を立ち上げ、地域の課題解決や地域創生事業を応援するため全国の地方公共団体へ寄付金を贈っている。

 

事業は22年度までの3年計画(寄付総額24億円)で、21年度は93事業(92団体)に9億2200万円を贈る。奄美市は奄美大島信用金庫(伊東寛久理事長)が推薦し、2月24日付で寄付を受けた。県内では昨年の鹿児島市に続いて2団体目。

 

寄付金活用事業の「奄美の動物たちを交通事故から守ろうプロジェクト」は、希少種の観察スポットとして知られる市道三太郎線に監視カメラや警告表示灯を設置し、夜間利用ルールの体制強化を目指す。事業費は1100万円。

 

奄美大島は徳之島、沖縄島北部、西表島とともに昨年夏、世界自然遺産に登録された。安田壮平市長は謝意を表するとともに、「希少野生生物のロードキルはユネスコ(国連教育科学文化機関)から指摘された宿題。取り組みを成功に結び付けて、他の遺産地域のモデルになれば」と語った。