世界自然遺産へ向け2氏講演 奄美・沖縄交流会

2019年10月04日

世界自然遺産

奄美市で開かれた奄美・沖縄交流事業で、沖縄県での取り組みを紹介する青木紀将社長=3日、奄美市名瀬

奄美市で開かれた奄美・沖縄交流事業で、沖縄県での取り組みを紹介する青木紀将社長=3日、奄美市名瀬

  奄美大島商工会議所(奄美市名瀬)と一般社団法人南西地域産業活性化センター(沖縄県那覇市)は3日、奄美市名瀬の集宴会施設で奄美・沖縄交流事業を行った。日本トランスオーシャン航空の青木紀将社長と、奄美自然環境研究会の常田守会長が講師となり、奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向けた民間企業の取り組みや、自然環境の重要性について講演した。

 

 奄美と沖縄の企業間交流や経済活性化を目指して企画され、今回で12回目。沖縄県から約20人、奄美側から約80人の事業主や一般市民が参加し聴講した。

 

 青木社長は2019年5月に発足した、沖縄県の30社以上でつくる「世界自然遺産推進共同企業体」の発足経緯や活動内容を紹介。18年に登録延期になった際、民間組織が不在だったことを踏まえ、企業の垣根を越えて世界自然遺産登録を後押しする活動の重要性を訴えた。その上で「自然の宝をしっかり次世代に伝え、地域住民が主となり、希少動物たちを守っていくことが大事」と話した。

 

 常田会長は奄美大島が世界自然遺産候補地に選ばれた理由や、奄美大島の動植物について写真を見せながら解説した。奄美は年間を通じて雨が多く、豊かな森を育み、それが生物多様性を生んだと指摘。奄美市住用町の森にある高さ106メートルの滝や、高さ30メートルのガジュマルの巨木、シイの木の群生林などを紹介し、「奄美大島は世界自然遺産になるかならないかではなく(世界自然遺産に)しないといけない島。地球の宝だ。それを守り、次世代につなげていかないといけない」と訴えた。