乳幼児多く、病棟に負荷 呼吸器感染症患者が増加 コロナ自粛の反動?

2023年03月27日

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乳幼児を中心に呼吸器感染症患者が増え小児科病棟の負荷が増している県立大島病院=25日、奄美市名瀬

外出や接触を避けてきた「コロナ自粛」の反動か―。新型コロナウイルス感染拡大が沈静化しつつある中、コロナ以外の呼吸器感染症が奄美市内外で広がっている。特に乳幼児への感染が目立っており、入院を受け入れる県立大島病院(奄美市名瀬)小児科病棟への負荷が増している。屋外での活動を通じて病気への耐性や免疫を備えるはずの乳児期にコロナ自粛が重なり、免疫が未熟な子どもが一気に感染しているとみられる。

 

奄美群島の新型コロナ感染動向は2020年4月の初確認以来増減を繰り返し、数百人の新規感染者が連日確認される時期もあった。今年2月以降は断続的に減り、2月28日以降は連日0~4人と落ち着いている。

 

約3年間のコロナ下では手洗い・うがい励行に加え、原則マスク着用や不要な外出・移動自粛などが求められた。ワクチン接種が広がり社会経済活動が回復するにつれ、一層の感染予防策は段階的に緩和。今月13日にはマスク着脱も実質〝自由化〟された。

 

一方、感染増が指摘されるコロナ以外の呼吸器感染症について、乳幼児の親や保育関係者らは「せき込む姿が目立つ」「症状がきつく出る子もいる」「ぜんそくが悪化して入院する子も少なくない」と実感。

 

県立大島病院小児科によると、コロナ以外の呼吸器感染症とみられる外来、入院患者が増え始めたのは1年以上前。病棟は逼迫し、看護師の負担も増加。担当者は「コロナ自粛の反動か、(免疫が未熟な)乳幼児がまとめて感染しているような印象」という。

 

原因のウイルスとして昨夏からヒトメタニューモが流行し、最近はRSが主体。一般的にヒトメタは1~2歳での感染が多く、RSもおおむね2歳までに感染するとされる。いずれも重症化すると気管支炎や呼吸困難を引き起こすケースがあり、初めて感染する乳幼児はそのリスクが比較的高い。

 

1月にはインフルエンザも流行したが、同院小児科病棟の病室使用者はヒトメタ、RSが大きく上回る。コロナ禍以前は生後9カ月前後の入院が多かったが、最近は1歳5カ月前後が増加。感染、重症化する年齢層の広がりがうかがえる。

 

これらの呼吸器感染症が広がっている背景について、同院内科は「コロナ禍での外出自粛などで免疫が身に付かないままの乳幼児が、自粛明けに伴い一気に感染したようだ」と指摘。「こうした感染動向は徐々に(従来の状況に)戻るのではないか」とした。

 

新型コロナについては今年5月、感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行される見通し。これに伴い、コロナ下に叫ばれた対人距離の確保、対面での会話回避、会食の自粛、施設利用者の記録などの対策も徐々に緩むとの見方もある。

 

ただし、手洗い・うがいや状況に応じたマスク着用など日ごろの「風邪対策」は引き続き有用だ。呼吸器感染症はせきやくしゃみを通じた「飛沫感染」、体や物体の表面を介した「接触感染」で広まる。

 

特に乳幼児などは風邪症状に加え▽強いせきを繰り返す▽呼吸が浅く速い・音が異常▽顔色が悪い―といった変化にも注意が必要。周囲の大人には、十分な目配りが求められる。

(西谷卓巳)