元気にすくすく育ってね 「サンガツサンチ」海開き 奄美市笠利町用安海岸

2023年04月23日

地域

海水に足を浸す伝統儀礼「浜下り」で、子どもの健やかな成長を願う家族=22日、奄美市笠利町の用安海岸

旧暦3月3日の「サンガツサンチ」に当たる22日、奄美群島の各地で海の安全を祈る海開きの神事が行われた。奄美市笠利町の用安海岸では、初節句を迎えた子の健やかな成長を願い、海水に足を浸す伝統儀礼「浜下り」があり、約20組の親子らが集まった。この日の海水温度は22度。保護者らが子どもたちの足をそっと海に触れさせると、うれしそうに笑う子や、驚いて泣き出す子も。海岸には、海開きを楽しむ家族連れのにぎやかな声が響いた。

 

用安の浜下りはリゾート施設「ばしゃ山村」による恒例の行事。神事には海上保安庁や警察、観光関係者ら25人が参加し、今夏の海の安全を祈った。

 

龍郷町の泰江美咲さん(34)に抱かれて参加した一瑳くん(1歳2カ月)は、初めて訪れた海を怖がることなく、笑顔で大はしゃぎ。美咲さんは「元気にすくすくと育ってくれたら。好きなことを見つけ、頑張ってほしい」と顔をほころばせた。

 

ばしゃ山村の奥圭太代表取締役社長(47)は「3年ぶりに、多くの方に声を掛け実施できるようになりうれしい。これからも海遊びを楽しんでほしい」と話した。

 

同海岸では4月上旬、毒クラゲ「カツオノカンムリ」が多く漂着。21日にも漂着ゴミとともにクラゲが見られたが、スタッフらが清掃を行い安全確保に努めた。