原料イトバショウを手入れ 30人がボランティア参加 沖永良部芭蕉布工房長谷川

2023年04月23日

地域

イトバショウの手入れに集まった参加者=22日、知名町

知名町の沖永良部芭蕉布工房長谷川(長谷川千代子代表)は22日、工房近くの畑でイトバショウの手入れを行った。工房の会員のほか、役場職員、友人知人ら約30人がボランティアで参加し、草刈りや肥料やりに汗を流した。

 

同工房は奄美、沖縄伝統の芭蕉布製造技術を継承する沖永良部島唯一の工房で2001年開設された。長谷川代表(83)によると、畑では約3千本のイトバショウを栽培。うち工房では原料として1年間に約1千本使うという。

 

この日の作業はイトバショウの枯れた葉や幹を落とし、肥料を入れるなどして、成長を促進する目的。参加者は長谷川代表の助言を受けながら半日かけて取り組んだ。

 

長谷川代表は「私だけではできないこと。芭蕉布がだんだん地域に根付いていると感じる」と多くの人の関わりに感謝し、「芭蕉布は先人が研究し、現在につながっている沖永良部島の大事な伝統技術。後世に残していくため、今のうちにたくさんの人に教えたい」と力を込めた。

 

今後は7~9月に幹の上部を切り落とし、繊維を丈夫にするための「芯止め」、11~3月にイトバショウを倒して糸を取る作業を行う。