名瀬港の倒壊灯台、固定ボルトを一部回収

2018年10月19日

地域

回収されたボルトを確認する海保職員=18日、奄美市名瀬港西防波堤先端付近

回収されたボルトを確認する海保職員=18日、奄美市名瀬港西防波堤先端付近

 第十管区海上保安本部は18日、台風24号通過後に消失した名瀬港西防波堤灯台について、灯台と基礎を固定するボルトを一部回収したと発表した。ボルトはいずれも破断しており、奄美海上保安部は「ボルトが腐食し破断したのが倒壊の原因」とみている。引き続き詳しく調べるという。

 

 ボルトはステンレス製で直径3センチ、長さ約1メートル。全16本のうち13本は、16日までに近くの海底で発見、回収した。ボルトは腐食部分で破断しており、80~90センチは基礎部分に埋まっている。

 

 灯台は高さ11メートル、直径2・2メートルで重さ4トンあった。台風通過後の9月30日、基礎部分を残して消失していることが確認され、10月13日、近くの海底で発見された。

 

 奄美海保は「長年かけてボルトの腐食が進み、台風の風雨に耐えられなかったのでは」と分析。1989年の灯台設置以来、ボルトは交換していなかったという。

 

 灯台の定期点検は年に1度、今年は1月に行っていた。当時のボルトの状態について、奄美海保は「固定箇所が外から見えない構造となっており、腐食などは確認できなかった」とした。

 

 奄美海保によると、引き揚げ時期は未定。船の航行に影響はなく、西防波堤には現在、仮灯火(LED製)を設置している。

 

 灯台の倒壊を受け、海上保安庁は年度末までに、ボルトで固定された灯台の点検を全国で実施する。