太陽光発電で5200㌔㍗へ 27年度目標、ゼロカーボンおきのえらぶ推進協

2024年02月22日

地域

2024年度事業計画の報告などもあったゼロカーボンアイランドおきのえらぶ推進協議会第4回会合=19日、和泊町

ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ推進協議会(会長・今井力夫知名町長)の第4回会合は19日、和泊町役場結いホールであった。事務局が2027年度までのゼロカーボン推進事業計画を報告。和泊、知名両町で太陽光パネル計5200キロワットを導入。公用車のEV(電気自動車)更新や公共施設照明設備のLED化などを予定しているとした。

 

事務局が説明した23年度の事業進捗(しんちょく)状況によると、和泊町は住民の理解促進、普及啓発を目的とした講演会とEVや電動農機具、生ごみ処理機などの展示イベントを開催した。

 

知名町は太陽光発電設備の設置、運用、管理などを行うPPA事業者としてDGキャピタルグループ(運営は子会社のえらぶゆり電力)を選定。知名中学校、文化ホールなど4施設で太陽光パネル計1116キロワットを施工した。3学校施設にLED設備を整備。ZEB ready(一次エネルギー年間消費量を50%以上削減した建築物)対応の新庁舎建設を報告したほか、年度内におきえらぶフローラルホテル送迎用のEVバスと公用車のEV更新を予定しているとした。

 

24年度は和泊町でやすらぎ館など町所有施設4カ所に太陽光パネル計173キロワットを設置する。公用車3台(1台はマイクロバス)をEVに更新し、学校2施設で照明設備のLED化を予定。

 

知名町は文化ホール、新庁舎両施設で太陽光パネル403キロワットを施工するほか、奄振交付金を活用した廃食油のディーゼルエンジン用燃料化実証事業、EVバイク充電スタンド整備などを計画している。

 

このほか会合では、県が計画している沖永良部空港への再生可能エネルギー導入実証事業概要や産業技術総合研究所(茨城県)で行われたDGR(デジタルグリッドルーター)評価試験結果報告などもあった。

 

同推進協副会長の前登志朗和泊町長は「大変な問題を抱えながらも前に進むことができ、確実に脱炭素の先行モデルになれると確信している。これからも引き続き皆さんの力を借りながら、持続可能な、みんなに憧れられる島づくりに努めたい」とあいさつ。出席した環境省の担当者は「なかなか計画通りにいかないが、今年度はハードも進められた1年だった。来年度も計画変更の検討など乗り越えられれば軌道に乗っていくのでは。一緒に前に進めていきたい」と述べた。

 

協議会は、和泊、知名両町が環境省の「脱炭素先行地域」に選定されたことを受け、推進組織として22年10月に発足。両町、県、環境省、共同提案者の各法人、関係民間企業、学識経験者などで構成する。