奄美の歴史ひもとく 古文書解読講座閉講式 奄美市

2022年03月28日

地域

2021年度講座の修了証書を受け取る受講生=27日、奄美文化センター

奄美関連の史料から歴史を学ぶ古文書解読講座の2021年度閉講式が27日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。今年度は奄美大島と喜界島から講師3人を含む計36人が登録・受講し、計12回の講座を通して「嶋中御取扱御一冊」と「大島私考」を解読。最終日に講義を行った本田冨男さんは「古文書解読は根気のいる作業。飽きずにこれからも頑張ってください」とあいさつし、受講生代表に修了証書を手渡した。

 

同講座は、奄美博物館が主催し1993年に開講。2005年以降は受講生らが自主運営し同館で学習を続けている。

 

教材の「嶋中御取扱御一冊」は、幕末期の奄美における黒糖生産や納税、島役人としての心構えなどが記された書写本。「大島私考」は1805年に大島代官として赴任した本田孫九郎の著書で、内容は奄美大島の地誌や宗教、行政の仕組みなど多岐にわたる。

 

閉講式で高梨修館長は「シマジマ(集落)に高い密度でいろんな時代の古文書が残っている」と奄美の歴史的価値に触れ「古文書の解読と確認の積み重ねが、新たな奄美の歴史を紡いでいく。これからも勉強を続けて歴史を伝えていただきたい」と受講生らを激励した。

 

代表で修了証書を受け取った同市名瀬の石神京子さん(84)は「主人の実家で古文書が見つかったことがきっかけで長年受講している。古文書からは、あまり知られていない奄美の歴史をたくさん学べる。地元の人たちがもっと発信していくことが大事だと思う」と話した。