奄美の10人、新たな一歩 県農業大学校で卒業式

2022年03月10日

地域

奄美出身者を含む81人に卒業証書が手渡された県立農業大学校の卒業式=9日、日置市

日置市にある県立農業大学校(柳橋浩一校長)で9日、第43回卒業式があった。奄美出身の10人を含む卒業生81人が学びやを巣立ち、鹿児島の地域経済を支える農業の担い手として、新たな一歩を踏み出した。

 

今年の卒業生は養成部門の農学部が野菜科25人、茶業科4人、果樹科3人、花き科1人、畜産学部が肉用牛科26人、養豚科10人、酪農科9人。研究部門の農学部農業研究科が3人だった。奄美出身の卒業生内訳は肉用牛科5人、野菜科2人、果樹科と酪農科、農業研究科がそれぞれ1人。出身地別では喜界町と伊仙町、和泊町が各2人、奄美市と瀬戸内町、徳之島町、天城町が各1人だった。

 

式では柳橋校長から卒業生一人一人に卒業証書が手渡され、塩田康一知事が「本県農業の発展、振興に貢献してほしい」などと激励した。

 

肉用牛科を卒業した伊仙町出身の平山龍聖さん(20)は「2年間の学校生活でしっかりとした知識を身に付けることができた。これからも技術を学び、将来は地元に戻って島に貢献したい」と語り、喜界町出身の豊原風花さん(20)も「みんなと一緒に農業ができて楽しかった。今後は農業法人で研修しながら人工授精の技術を高め、将来は実家を継ぎたい」と目を輝かせた。

 

農業研究科を卒業した奄美市出身の圓裕詞さん(22)は「初めて学ぶ農業は新鮮で、いろんな人と関わりをもつこともできた」と振り返り、「奄美大島で新規就農してタンカンと肉用牛の複合農家を目指したい」と意気込んだ。