奄美205店舗、伸び悩み 県の第三者認証店 自治体、促進へ報奨金も

2022年02月24日

地域

第三者認証店の入り口に貼られている認証ステッカー=23日、和泊町

新型コロナウイルス感染防止対策で、基準に適合した飲食店に県がお墨付きを与える「第三者認証制度」。認証店は「まん延防止等重点措置」適用に伴う営業時間短縮の要請期間中でも、定められた時間内なら、酒類提供が可能などの優遇措置もある。18日現在、県内で3520店舗が認証されているが、奄美群島の市町村は計205店舗にとどまっている。オミクロン株が全国で猛威を振るい、いまだ収束が見通せない中、和泊町や与論町は認証店に報奨金を出すなどの支援策も行っており、制度の促進につなげている。

 

奄美の市町村別の認証店舗数は奄美市98店、瀬戸内町5店、龍郷町9店、喜界町7店、徳之島町17店、天城町2店、伊仙町1店、和泊町15店、知名町7店、与論町44店。大和村、宇検村はゼロ。

 

昨年末時点は奄美の市町村合計で53店舗と少なかったが、特に今月以降、奄美市を中心に、認証を取得する店が増えた。

 

同市名瀬の繁華街・屋仁川の飲食店などで構成する奄美市社交飲食業組合の伊東隆吉理事長(71)は「県の認証制度は感染防止対策の項目が多く、特にパーテーション(間仕切り)や客席の間隔確保などの面で、小規模な店舗も多い島の飲食店からは認証のハードルが高い印象を持たれていたと思う」と伸び悩んでいた経緯を説明。

 

だが、時短要請期間中、第三者認証店は非認証店より1時間長い午後9時まで営業でき、その間は酒類の提供が認められたり、協力金の額にも差があるなどの優遇措置が明確になり、奄美大島で新型コロナが急増した年明け以降、取得する店が増えたとみている。

 

伊東理事長は「お酒を出してこその〝居酒屋〟。時短要請期間中、営業するにもお酒が提供できるか、できないか。そこの差は店にとって大きい」と話した。

 

認証制度の促進に乗り出した自治体もある。20日以降、感染者が急増中の沖永良部島の和泊町は21日付で「町感染防止対策強化報奨金交付事業」を専決処分。県の第三者認証を取得した町内の飲食業や宴会場のある宿泊業に対し、感染防止対策強化の報奨金として1店舗当たり10万円を交付する。すでに認証を取得済みの店舗も対象。事業費は800万円。

 

認証店への報奨金の交付は与論町も昨年から実施しており、効果を上げている。和泊町企画課は「感染リスクが高いとされる会食機会を提供する飲食業などに、感染防止対策をより強化してもらうことで、町全体の感染防止につながれば」としている。

 

県の第三者認証制度は飲食店などの感染防止対策の一層の徹底と、利用者への安心と信頼の確保などが目的。県が交付する認証ステッカーが目印。