宮古崎トンネル供用開始 奄美大島

2022年03月28日

地域

宮古崎トンネルの開通を祝って行われたテープカット=27日、奄美市名瀬根瀬部

奄美市名瀬根瀬部と大和村国直を結ぶ県道名瀬瀬戸内線「宮古崎トンネル」(延長2316㍍)が27日、開通した。供用開始前にあった開通式と祝賀会では両自治体の関係者らが待望のトンネル開通を祝うとともに、観光振興や地域の発展に期待。トンネルを通った住民らは、交通の難所である峠越えの解消と通行時間の短縮を喜んだ。

 

トンネル整備は、県が災害に強い安全・安心な道路としての機能確保に向け2014年度に着手した総延長約2・9㌔のバイパス整備事業の一環。従来の峠越え(延長5・2㌔、標高160㍍)が解消され、距離で約2・3㌔、車での移動時間で約5分短縮される。

 

バイパス整備の総事業費は約80億円で、トンネル工事は約54億円。奄美大島のトンネルでは網野子トンネル(瀬戸内町、延長4243㍍)、新和瀬トンネル(奄美市住用町、同2435㍍)に次いで3番目に長い。

 

供用開始し、続々と車両が通行する宮古崎トンネル=27日、大和村国直

開通式は宮古崎トンネルの奄美市名瀬側の出入り口であり、関係者約50人が出席。塩田康一知事や安田壮平奄美市長、伊集院幼大和村長、県選出国会議員、地元住民代表らがテープカットとくす玉開きで開通を祝い、車やバスに分乗して通り初めを行った。

 

その後、大和村防災センターであった祝賀会で、塩田知事は「沿線の住民の安全・安心や利便性の向上、奄美大島の観光振興、地域活性化が図られることを期待する」とあいさつ。安田市長は「開通を待ち望んでいた島民にとって大きな喜び。自治体を越えた交流がますます期待される」、伊集院村長は「西回り道路の重要性が再認識され、奄美の活性化や観光振興の一翼を担うトンネル」と述べた。

 

正午には一般供用が始まり、開通を待ちわびた車やバイクがトンネルを通行。大和村側の出入り口に一番乗りした農業東條豊勝さん(61)=同村湯湾釜=は「買い物や農産物の出荷などで名瀬にはよく通う。トンネル開通で時間が短縮され、安全に走行できることはありがたい」と、トンネル効果に期待した。