岩手の魚市場備品、奄美に 震災津波で流出から8年半

2019年10月01日

地域

奄美大島の砂浜に流れ着いた、東日本大震災の津波で流されたとみられる大船渡魚市場の備品=9月27日、龍郷町の加世間

奄美大島の砂浜に流れ着いた、東日本大震災の津波で流されたとみられる大船渡魚市場の備品=9月27日、龍郷町の加世間

2011年3月11日の東日本大震災時に発生した大津波で流されたとみられる大型のプラスチック容器が9月22日、龍郷町加世間地区の海岸で確認された。大震災から8年半。容器に記された「大船渡魚市場」(岩手県)から直線距離で約1600キロの奄美大島への漂着に地元住民から驚きの声が上がった。

 

 大船渡魚市場㈱施設管理課によると、容器は1トンタンクと呼ばれ、魚介類を運ぶ際などに使用する。担当者は「タンクのナンバーから、2004年に購入し、津波によって流れたものだと思われる」とした。タンクはこれまで、日本海沿岸や沖縄県、米国アラスカなどでも確認されている。今年の確認連絡は今回が初めて。

 

 龍郷町加世間の牧智登美さん(65)が、台風17号が通過した22日午前8時ごろ、集落前の堤防付近に打ち上げられたタンクを発見した。「発見時は大船渡の表記に驚いた。東日本大震災の津波で流された可能性があると聞いて震災の被害の大きさを改めて感じた」と話していた。

 

 同町生活環境課は27日、タンクを回収した。今後、漂着ごみとして処分するという。