徳之島でブンムケ 3年ぶりに移動制限なく

2022年08月14日

地域

「お迎えにきました」と先祖へ手を合わせる親族=13日、徳之島町亀津

月遅れ盆の入りを迎えた13日、徳之島町の墓地には、先祖の霊を自宅に招く「ブンムケ(盆迎え)」に訪れる家族連れが多く見られた。移動制限がない中で迎える盆は3年ぶり。

 

奄美群島では旧暦に合わせて盆の行事を実施する地域が多い中、奄美市名瀬の大熊地区や徳之島では、島外で暮らす出身者が参加しやすいように月遅れ盆が定着している。

 

東京都から帰省した大窪啓資さん(14)はまだ暑さ残る夕方、祖先の眠る墓の砂地をほうきで丁寧に整えていた。大窪さんは額に汗をにじませながら「お盆に徳之島に来るのは久しぶり。無事にご先祖さまを迎えられて気分がすっきりした」と笑顔を見せた。

 

2年前に亡くなった母親の墓を清めに訪れた前田百合子さん(59)=徳之島町亀津=は「新型コロナの影響で自身や息子の生活は苦しい状態が続いているが、お盆をしっかり迎えられてひとまずは安心。お盆中は親族など10人くらいが集まる予定」と話した。