心の準備と笑顔が大切 認知症を学ぶ講習会 奄美市名瀬佐大熊町

2023年03月27日

地域

講師の中里詩帆さん(右)と認知症について学ぶ地域住民ら=24日、奄美市名瀬佐大熊町

認知症について学ぶ講習会(奄美市高齢者福祉課主催)が24日、同市名瀬の上佐大熊集会場であった。講師は同市名瀬の介護保険サービス事業所「わんわんネット」訪問介護管理者、中里詩帆さん(42)。地域住民ら約30人が集まり介助者と認知症本人、両者の視点で学び、共に暮らすための理解を深めた。

 

講習会は地域の高齢者が住み慣れた土地で安心して暮らせる環境づくりを目指し、市が実施した。

 

中里さんは認知症の定義や原因、記憶障害などの症状を解説。介助側の視点では信頼関係を基本に「認知症になるとできないのではなく、行動に時間や回数が必要になる。『できる』を前提に考えて」と訴え、「本人が誰より不安を感じている。誰にでもある心理症状が強く出やすいことを知ってほしい」と強調した。

 

認知症本人の視点からは「『認知症が進行し訳もなく怒り出すことが増え困っている。家族はどう対応するか』という会話に、自分が認知症ならどう感じるか」と問い掛け「当事者の気持ちで考えられる人が増えれば、安心して暮らせる地域になる」と語った。

 

日々の食事や運動、人との交流、知的刺激を継続し健康増進に取り組むことが重要とし「心の準備をしながら笑顔で過ごすことが大切」と結んだ。

 

在宅介護支援センターふれあい(同市)で働く松田友美さん(49)は「話し方や見守り方の勉強になった。仕事に活用したい」と話した。

 

認知症講習会の実施希望や問い合わせは、電話0997(52)1111奄美市高齢者福祉課へ。