料理上手のおばあが講師 かしゃ餅や塩豚、こつ伝授 奄美市笠利町

2024年04月22日

地域

笠利さばくり隊による「おばあと料理教室」の様子=20日、奄美市笠利町(提供写真)

高齢者らを対象に地域貢献活動を展開する「笠利さばくり隊」(橋口真征(もとゆき)隊長)の第7回活動が20日、奄美市の笠利総合支所などであった。「おばあと料理教室」「買い物支援」「自宅の片付け」の三つの活動を展開。同支所調理室であった料理教室では、料理上手な地域のおばあ3人が講師となり、調理のこつなど教室生と語らいながら島の伝統料理を次世代に伝えた。

 

料理教室には、同市名瀬や笠利町から幅広い

料理はその場で振る舞われた=20日、奄美市笠利町(提供写真)

年代の市民9人と子どもを含むボランティアスタッフ9人が参加。講師は「かしゃ餅」担当の日髙スミエさん(81)、「わん骨(豚骨)」担当の安田絹枝さん(79)、「がじゃ豆」担当の恵知津子さん(71)。3人とも同市笠利町在住。

 

レシピは用意されておらず、手順や(塩漬けした豚の)塩の抜き加減などのこつを、講師のおばあと教室生らが一つ一つ会話を通して確認し合いながら調理を進めた。わん骨に合わせる野菜にアザミを使用するのが笠利町の佐仁地区や節田地区などの特徴といい、この日は塩漬けし長期間保存していた〝4年もの〟を使用した。

 

講師の安田さんは「わん骨は塩抜きなど時間がかかる料理で事前に下ごしらえをした。そのあたりを伝えるのが難しかった」。日髙さんは「人に教える機会はこれまでなかった。島の伝統料理が受け継がれていくために、少しでも力になれたならよかった」。恵さんは「がじゃ豆も人によって細かいこだわりがある。私のやり方で大丈夫かなと思うけど、島料理の継承に一役買えてよかった」とそれぞれ話した。

 

買い物支援は、高齢者8人が利用。医療介護専門のスタッフも同行し、龍郷町のドラッグストアやホームセンターを回った。自宅の片付けでは、スタッフが高齢者宅の古くなった布団や畳の片付けを手伝った。

 

笠利さばくり隊は、奄美市笠利国民健康保険診療所の職員を中心に2021年11月に約20人の隊員で活動を開始。診療所に通う高齢者の願いや悩みに寄り添う形でスタートし、現在隊員は、他の事業所を含め40人を超える。次回のさばくり隊活動は8月の旧盆前を予定している。