求人情報発信力強化へ 県内初、リクルートと連携協定 奄美市

2023年05月10日

地域

求人情報の情報発信などに関する包括連携協定を締結したリクルートの常行洋介部長(左)と安田壮平市長=9日、奄美市名瀬

奄美市と情報発信サービスや求人・人材派遣関連などの事業を手掛けるリクルート(本社東京都千代田区、北村吉弘代表取締役社長)は9日、「奄美市内企業などの求人情報の発信強化と人材確保、雇用促進に関する協定」を締結した。同社が提供する採用管理サービス「Airワーク 採用管理」を活用して採用業務のデジタル化を進め募集情報の発信力強化を図り、人材確保・雇用促進を推進する。

 

同社は、日本全国の雇用機会創出の実現を目指して2020年2月から、複数の地方自治体などとの連携を進めている。

 

今回の協定締結は「情報や人材が本土に比べて限られる離島でも、人材不足の課題解消へ貢献したい」と同社から市側へ提案して実現した。同社の採用管理サービス提供を通じた自治体・機関との協定締結は奄美市が10例目。県内と全国離島では初めて。

 

同社によると「Airワーク 採用管理」は最短5分で事業所の採用ホームページが作成でき、無料で求人募集できるサービス。作成した求人情報は世界最多の求人検索サイト「Indeed」にも自動転載され、国内外の求職者に情報を届けることができるという。

 

協定の締結に伴い、同社はサービスの提供で奄美市内の事業所の採用ホームページ作成をサポートし、地域内の仕事のウェブ上での可視化や求人募集情報の発信力強化を図る。市側はサービス周知や同社と事業者のマッチングを通じて、市内事業所の採用力向上を支援する。

 

奄美市役所で9日、連携協定調印式があり、同社からはソーシャルソリューションデザイン部の常行洋介部長(44)ら3人が出席。安田市長は「協定締結で市内企業の求人情報の発信強化と人材確保、雇用促進の環境が一層整うとともに、働きやすい職場づくりにも寄与することが期待される。これを契機に本市も人材不足の解消と産業振興に努めたい」とあいさつした。

 

常行部長は「人口減や少子高齢化といった共通の課題はもちろん、各地域で産業構造や課題は異なる。われわれと奄美市がしっかりとタッグを組み、新しい雇用の形をつくっていければ」と語った。

 

奄美市と同社は6月15、16の両日、市内事業所向けのセミナーを開き、現在の労働市場や求職者のニーズなどの紹介、採用ホームページの作成方法などを説明する。