流通再開、4日ぶりに生活物資 奄美群島

2018年08月25日

地域

 次々に運び出される食料品などを満載したコンテナと車両=24日、奄美市の名瀬港

次々に運び出される食料品などを満載したコンテナと車両=24日、奄美市の名瀬港

 台風19、20号の影響で欠航が続いていた定期航路が本格的に再開し、奄美各島に24日、4日ぶりに本土から食料品などの生活物資が届いた。待ち焦がれた物資の到着に流通関係者や農家、買い物客からは一様に「ようやく船が入りほっとしている」との声が聞かれた。

 

 奄美市名瀬のいずみストアーでは24日午前中から買い物客で混雑した。対応に追われていた泉浩二代表(47)は「台風接近前に3日分まとめて仕入れたが、足りなかった。お客さんにも迷惑を掛けたが、これで一安心です」と汗をぬぐった。

 

 孫たちと一緒に店を訪れていた奄美市名瀬の女性(56)は「お盆なのに必要な生鮮食料がなく困っていた。台風による停電が怖くて買いだめもできなかった。でも船の到着が25日の送り盆に間に合ってよかった」と話した。

 

 沖永良部島にも4日ぶりに鹿児島からの下り便が入港した。和泊町の沖永良部花き専門農協は、ソリダゴやスプレーギクなど冷蔵コンテナ4台分、約670箱を到着したフェリーに積み込んだ。同農協の男性職員は「20日に沖縄経由の飛行機で少量を出荷して以来、4日ぶり。この時期としては通常の倍以上の量」と話した。

 

 同町手々知名でソリダゴやキクを栽培している沖宏光さん(62)は「花は鮮度が命。きょう出荷ができなければ、品質が落ちて一部は廃棄する可能性もあったので(フェリーが到着して)よかった」と話していた。

 

 奄美関係の海の便は24日も欠航や条件付きが出たが、25日にはほぼ正常運航に戻る。

 

 奄美各島と鹿児島や沖縄を結ぶ航路は24日、上りのクイーンコーラル8が欠航。下りは臨時便のフェリー波之上(貨物のみ)が沖永良部までで折り返し、フェリーあけぼのは条件付きで沖縄まで運航した。喜界・知名航路のフェリーきかいは条件付きで平土野まで航行後、名瀬、喜界を経由して鹿児島へ向かった。

出荷用の花きを大量に詰め込んだコンテナ=24日、和泊町の沖永良部花き専門農協

出荷用の花きを大量に詰め込んだコンテナ=24日、和泊町の沖永良部花き専門農協