災害時の調理法を実践 食生活改善推進員ら参加 奄美市笠利町

2023年09月09日

地域

参加者らがポリ袋を使った調理法を学んだパッククッキング研修会=8日、奄美市笠利町

奄美市笠利町の国保高齢者保健福祉センター「ふれ愛の郷」で8日、災害時の調理法「パッククッキング」の研修会があった。地域で食と健康に関する知識を広めるボランティア活動に取り組む、笠利地区の食生活改善推進員12人が参加。身近な材料や道具を使い、避難所などでもすぐに実践できる方法を学んだ。

 

パッククッキングは、スーパーなどで入手できる耐熱性の高密度ポリエチレン製袋を用いた調理法。電気や調理器具がなくても、カセットコンロと鍋があればさまざまなレシピに基づく食べ物を簡単に短時間で作ることができる。

 

研修会は、災害時でも健康に過ごせる献立の作り方を知ってもらおうと同市笠利町いきいき健康課が主催。笠利地区では初めて実施した。

 

この日のメニューは▽親子丼▽ツナとじゃがいも煮▽ワカメとコーンの和え物─の3品。参加者らは材料と調味料を袋の中で混ぜて味を付け、そのままお湯を沸かした鍋に入れて加熱。同様に袋と鍋を使って一人分ずつご飯も炊き、1時間ほどで全品が仕上がった。

 

最後は完成した料理を実食。参加した原長ノシ子さん(79)は「簡単でおいしく栄養バランスも良くて勉強になった。子どもから大人まで作れると思うので周りの人に伝えてあげたい」と話した。

 

講師を務めた管理栄養士の野島未菜さん(24)は「災害時、特に高齢者の方々は、優しい味の温かい食事があるだけでも避難生活のストレスを乗り越えやすくなる。家族などにもこの調理法を広めてくれたら」と語った。