農業人手不足解消の一助に シルバー技能講習始まる 沖永良部島

2023年10月26日

地域

実技講習でスプレーギクの植え付けについて学ぶ受講生ら=25日、和泊町

県シルバー人材センター連合会主催の農作業補助講習が25日、和泊町実験農場で始まった。和泊、知名両町のシルバー人材センターの会員確保や農業の人手不足解消の一助になればと初開催。両町の60~70代会員と住民計11人が受講し、花卉(かき)栽培の知識や技術を高めた。

 

技能講習はシルバー人材センターの会員拡大、会員の技術向上などを目的に、厚労省の高齢者活躍人材確保育成事業の委託を受けて毎年開催。同連合会によると、各シルバー人材センターからの要望を受け、各地で草刈りや調理補助などさまざまな講習をしているが、農作業補助講習は県全体でも初めてだという。

 

講師は県沖永良部事務所農業普及課の技術専門員、和泊町経済課職員、花卉農家が務めた。開講式の後、座学で沖永良部島の花卉栽培について生産品目や生産状況、各品目の基礎知識などを学び、実技講習に入った。この日はスプレーギクの挿し芽や植え付けを行った。

 

受講した和泊町の末川秀行さん(68)は「受講を機にシルバー人材センターの会員になり、生活のためにも仕事をしたいと思っている。会員になることで人の輪が広がるのもいい。これまで農業経験はなかったので、講習は勉強になる」と話した。

 

最終日の26日も実技講習を続開する。

 

和泊町シルバー人材センターの平山和仁理事長は「両町で農作業従事者の確保が難しくなってきている。必要とする農家が即戦力として活用できるためにも講習はあった方がいいと考えている。受講生にとっても自身の仲間づくり、収入も含めて次の活動に生かしてもらえる機会になれば」と話した。