運動不足、ストレス解消に 視覚障がい者集い散歩 知名町エラブてぃぬひら

2023年04月16日

地域

市街地で散歩を楽しむ障がい者と支援者=12日、知名町

【沖永良部総局】障がい者支援に取り組む知名町のNPO法人エラブてぃぬひら(清村明仁代表)は、自宅にこもりがちな視覚障がい者の運動不足やストレス解消を目的に、月1回集まって散歩している。12日は障がい当事者、支援者計8人が参加。外の音や空気、道路の感触、会話を楽しみながら約2キロの道のりを歩いた。

 

月1回開く会合に合わせて昨年12月から始めた。同法人では今後、外出時に障がい者などに同行し、移動の援護などを行う「同行援護事業」を始める予定で、散歩は当事者、支援者の練習や準備も兼ねている。

 

参加者は島内各地からバスで移動し、スタート地点の沖永良部バス企業団知名営業所前に集合。白つえを手に、支援者と2人一組になって歩きだした。交差点では青信号を音で判断。道幅が狭い道路では声を掛け合って通行車両や人に注意し、約30分掛けて清村代表の自宅兼事務所に到着した。

 

参加した中村武志さん(70)=和泊町=は「今日は足が痛くて休もうかと思ったが、みんなで集まり、話をしながら歩くのが好きなので、やっぱり参加して良かった。家にいるより、みんなと会えば気持ちも良くなる」と充実した様子で話した。

 

清村代表(67)は「視覚障がい者にとって外出はハードルが高く、身内に付き添いをお願いするのも気を使う。今後は散歩を事業としてやっていければ」と話した。