長引くコロナ禍 現場から 商店街「人通り半分ほど」

2022年02月24日

地域

祝日にもかかわらず人通りはまばらな中央通りアーケード=23日、奄美市名瀬

新型コロナウイルスは、地域のさまざまな業種に悪影響を与え続けている。23日、多くの店舗が集まる奄美市の名瀬中央通りアーケードを訪ねた。肌寒く小雨が降るあいにくの天候で、祝日ながら人通りはまばらだった。

 

名瀬の中心部を貫く長さ約200㍍の商店街。1964年に奄美群島唯一となるアーケードを整備し、7通りある名瀬中心商店街の「顔」として親しまれている。2006年にはアーケードをリニューアル。現在、衣料品や大島紬、雑貨、飲食、文具、スポーツ用品など47店舗が営業している。

 

同アーケード商店街振興組合理事長の松尾典昭さん(66)は「半分ほどだね」と開口一番。コロナ前の祝日に比べ、この日の人通りはかなり少ないようだ。

 

松尾さんは雑貨や婦人服を扱う「生活彩館」の店主。コロナ前より「店の売り上げは3~4割減った」とし、「観光客が減少したこともあるが、地元の人たちの出足が鈍い。特に名瀬以外の人が訪れなくなった」と話した。コロナの感染を恐れて名瀬の街まで足を運ばなくなったと分析する。

 

アーケード恒例の旧正月イベントは2年前から開催できていない。松尾さんは「今後もコロナがまったく無くなるのは考えにくい。早くインフルエンザのように薬で治せるようになれば」と願った。

 

「屋仁川通り(名瀬の繁華街)などにお金が落ちないと、お金の巡りが悪くなる。つながっているんだから」と語るのは、創業74年の老舗ファッションハウス「かわぞう」の社長、川畑孝信さん(58)。学校の制服などを扱っているが、奄美大島で感染が急拡大した1月の売り上げは「5割にまで落ち込んだ」。

 

大島紬やその小物、島の特産品が並ぶ「紬のとくやま」。経営する徳山貴広さん(40)は「紬は高級嗜好(しこう)品だから、コロナ禍で買い控えられた。ネットショップなどで写真の見栄えをよくしたり工夫して売り上げ増を図っている。自分でやれることはやっていきたい」と語り、行政に対しては「一部の業種だけでなく、幅広く手厚い支援をお願いしたい」と要望した。