集落の特徴を紹介 オンラインで3カ国と交流 伊仙町西犬田布の住民

2022年03月06日

地域

オンラインで3カ国の参加者と交流する松岡さん夫妻と水本さん(画面右上)=2日、伊仙町西犬田布

世界9カ国で地域づくりに取り組む人たちが参加するオンライン研修「住民主体のコミュニティ開発~バーチャルフィールドワーク」が2月22日から徳之島で開かれている。3月2日は伊仙町西犬田布の住民が3カ国の参加者と交流。同集落の特徴や歴史、地域づくり活動などを紹介して親睦を深めた。

 

研修会は地域住民の主体的な地域づくり、コミュニティー開発の在り方を探る目的で国際協力機構横浜センター(JICA横浜)が主催した。徳之島では2018年度から3回の現地実習を実施してきたが、新型コロナウイルスの影響で初めてオンラインで開催した。

 

西犬田布からはゲストハウス「島じかん」を経営する松岡洋仁さん(68)、郁代さん(66)夫妻と、郁代さんの母の水本美枝子さん(92)が参加。モルディブ、タンザニア、トンガの3カ国の参加者へ事前に撮影した動画を用いて集落の海岸や、昔ながらの塩作りなどを紹介した。

 

会話は通訳を介して英語で行われ、参加者は「海はどのくらい離れているか」「公民館の管理維持は誰がしているか」などと質問。互いに質問を交わす中で、トンガにもアダンが生えていることが分かり、意外な共通点に会話も弾んだ。

 

郁代さんは「画面越しでも遠く離れた国の人たちと会話できることに驚いた。徳之島のことに興味を持ってもらえたようで、こちらも楽しかった」と笑顔。モルディブから参加したイブラヒム・シャラフさんは「集落の絆があればいろいろな事ができると分かった。私たちもそんな絆を築きたい」と感想を述べた。

 

トンガからの参加者ロペティ・マシウさんは、1月15日の火山噴火で被災した同国の現状について「復旧しつつあるが、被災の後でコロナの感染も発生して難航している」と報告し、「今後は食糧生産の復旧が必要だが、農業用トラックなどが不足している」と支援を訴えた。

 

オンライン研修は世界9カ国から13人が参加し、3月7日まで実施する。徳之島からは西犬田布のほか、同町阿権、徳之島町金見集落、徳之島の自然保護団体「徳之島虹の会」も参加してそれぞれの取り組みを紹介する。