食事や物品を無償提供 徳之島診療所とNPO

2022年04月16日

地域

日用品や衣料などを配布した無料市場=10日、徳之島町亀津

徳之島診療所とNPO法人「親子ネットワークがじゅまるの家」は10日、新型コロナウイルス禍で影響を受けた世帯を応援する「食料&日用品無料広場」を徳之島町亀津の東区公民館で開いた。約60人が来場。衣類や日用品などを無償で提供したほか、子ども無料の食事50食も振る舞い、地域住民に喜ばれた。

 

無料広場は同診療所の初めての試みで、同NPOが定期的に開催している子ども食堂と併催。島内の事業所などから寄せられた缶詰やインスタント食品、衣類やトイレットペーパーなどを配布した。

 

子ども3人を連れて来場した30代夫婦は「マスクや消毒液など日常必要な物をいただいた。家計にとっても大助かり」と感謝。近くに住んでいる女性(75)は「ちらしで知って来たが日用品を無料でもらえたのはありがたい。外出を控えていたので久しぶりに人と会えたのもうれしい」と喜んだ。

 

今回の取り組みについて、徳之島診療所の石井仁久さんは、同診療所が戦前に健康保険制度のない農民や労働者を助けることを目的とした無産者診療所だったことを挙げ「困った人を助けるという原点に立ち返った」と説明。「島内の事業所から多くの物品が寄せられ、利用者からも好評だった。今後も定期的に開催して必要な支援を届けたい」と意欲を込めた。

また、子ども食堂は大人200円、子どもは無料とあって家族連れに好評。同NPOの野中涼子理事長は「コロナ禍で開催できない時期もあったが、ようやく皆で食事を楽しめるようになってきた」と語り、「他の団体との協力で、より支援を届けやすくなる。今後も積極的に協力したい」と話した。

 

同診療所は次回の開催のため、島内の事業所や個人へ引き続き寄付を呼び掛けている。レトルト食品、インスタント食品、缶詰、瓶詰など長期保存できる食品やトイレットペーパー、生理用品など。問い合わせは電話0997(83)2131徳之島診療所へ。