食品倉庫を設置、活動本格化へ 心音「フードバンクおきのえらぶ」 和泊町

2023年03月03日

地域

「フードバンクおきのえらぶ」に設置されたコンテナ倉庫を紹介する心音の安徳理事長=2日、和泊町

【沖永良部総局】フードバンク事業「フードバンクおきのえらぶ」を展開する和泊町のNPO法人心音(安徳建二理事長)に食品を保管するコンテナ倉庫が届き、2月25日に設置式があった。和泊、知名両町長をはじめ関係者20人が出席し、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献や島の福祉向上に期待した。

 

フードバンクは、企業から品質に問題がないにもかかわらず、市場で流通できなくなった食品の寄付を受け、必要としている施設や団体に無償で提供する活動。心音は2022年11月、県内のフードバンク団体を取りまとめる鹿児島県フードバンクセンター(鹿児島市)と食品の提供などに関する協定書を締結し、事業をスタートした。

 

活動開始に当たって課題となっていた食品の倉庫確保は、福岡、大分の両県を拠点に社会貢献活動を行うフォレストホールディングスからの寄付を受け、コンテナを購入。食品の保存に必要な空調設備設置などの改修を加え、23年1月に設置を終えた。

 

心音は倉庫設置で食品の受け入れ準備が整ったとして、今後は提供先などのネットワークづくりを進める予定で「子ども食堂開設などで食品提供を希望するグループがあれば相談してほしい」と呼び掛けている。提供先は審査の上で決定する。

 

安徳理事長は「(フードロスなど)国の現状を知れば知るほど、この島にそうした食品を回すような仕組みをつくることはできないかとの思いがあった。島への社会貢献の一助になれば」と話した。