地場産原料で高付加価値を 喜界島の園田さん講演 瀬戸内町

2023年03月03日

社会・経済 

トークショーで加工品開発への思いを語る「SONTAR GARDEN」代表の園田さん(左)=2日、瀬戸内町

瀬戸内町は2日、同町きゅら島交流館で農産物を活用した加工品開発に関する講演会を開いた。果実などを使った香り成分を凝縮した精油などの加工販売を手掛ける「SONTAR GARDEN」代表の園田裕一郎さん(36)が講師を務め、自身の取り組みなどを説明するとともに、地域で生産される果実や野菜類が秘める可能性を強調。約30人の来場者は、地場産の農産物にこだわり、付加価値を高める加工品開発について理解を深めた。

 

園田さんは喜界島出身。喜界町役場で12年間勤務した後、2022年に就農。花良治みかんやタンカンなどのかんきつ類、パッションフルーツ、メロンを栽培する一方、台風接近時に定期船が長期間寄港できず、出荷できない農産物を廃棄する農家に接してきた役場職員時代の経験などから、加工品開発を志した。

 

「SONTAR GARDEN」のこだわりは喜界島産の農作物を使った商品づくり。原料は自家栽培したフルーツの一部や、「困っている農家を助けたい」と天候不順などで出荷できない農産物を可能な限り高値で買い取って調達。約1400万円かけて整備した専用の加工場では、在来かんきつやタンカンの精油、パッションフルーツのシロップなどを製造している。

 

講演会ではトークショーもあり、園田さんの妻・綾乃さんも参加。園田さんは「島にこんなにいい素材があるのに、当たり前すぎて価値に気付いていない。高い付加価値を付けて売り出し、喜界島でしか作れないもの、喜界島だからできることを届けたい」と話した。