9年間で702万円過大徴収 市営住宅家賃、302万円の未収も 奄美市

2023年09月21日

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会見を開き、市営住宅家賃の算定誤りによる徴収ミスについて陳謝した安田壮平市長(中央)=20日、奄美市役所

奄美市は20日、市営住宅家賃の算定を誤り、2022年度までの9年間に50世帯で計702万4千円を本来より多く徴収した一方、25世帯で計304万700円の過少徴収があったと発表した。徴収過多分は全額返金する。過少徴収のうち20年度以降の3世帯の未収分22万700円は追加で徴収し、14年度から18年度までの22世帯・計281万8700円については、民法で定める消滅時効期間の経過により徴収しない方針。

 

建築住宅課によると昨年8月ごろ、入居者から家賃の算定誤りを指摘する問い合わせが市に寄せられ、調査した結果、14~22年度の徴収ミスが判明した。

 

12年度の市営住宅管理条例施行規則改正の際に、条文の記載の誤りや条項の記載漏れがあったことが主な原因。規則と家賃の自動算定システムとの間に食い違いが発生。誤った規則に基づいて職員が手動で作業を行い、本来は修正しなくてよい世帯の家賃を誤って修正したり、反対に修正が必要な世帯の家賃を修正しなかったりしたという。

 

1世帯の徴収過多の最高額は106万2千円。過少に徴収した世帯のうち、追加徴収を行う世帯の最高額は8万6400円。消滅時効期間の経過により、追加徴収しない世帯の最高額は84万3600円。

 

市は、関係する入居者に対して今月11日から個別訪問し、算定誤りに関するおわびと、内容説明を行っている。徴収過多世帯への返金に向けては、10月5日の市議会9月定例会最終本会議に関係予算を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出。可決後、速やかに返金を進める考え。

 

市は今後、施行規則を改正し、家賃システムと整合させることで、手動での修正作業をなくす方針。また再発防止策として、法令改正のたびに条例規則の確認を厳重に実施。家賃算定に当たっては、複数の職員でのチェックなど管理体制の強化を図るとしている。

 

安田壮平市長は「入居者の方々に大きなご迷惑をお掛けしたこと、市民の信頼を損ねたことに対し、深くおわびする。今後このようなことがないよう努めていく」と陳謝した。