親族集い、墓前にぎわう 先祖祭り「シバサシー」 喜界島

2023年09月22日

地域

シバサシーで、墓前で手を合わせて先祖に感謝する一族=20日、喜界町志戸桶

喜界島北部の集落で20日、伝統行事「シバサシー(柴さし)」があった。スーキ(弁当)や果物、焼酎などを手に親族が墓地に集い、帰省客らも一緒ににぎやかに先祖祭りを行った。

 

「喜界町誌」によると、シバサシーは旧暦8月最初の丁(ひのと)の日「節折目(シチウンミ)」から5日目の辛(かのと)の日に行う先祖祭り。ススキの葉(シバ)を家の門の両側や墓口などに飾り、悪霊を払う意味もある。

 

午後2時すぎ、小野津集落のクーバテー墓地には、お供え物を手にした人々が集まり、墓前にあいさつして回った。その後、木陰で車座になってごちそうを食べ、交流を深めた。年長者が子どもたちに「先祖を大切にする日だから、忘れないようにね」と声を掛ける姿もあった。

 

午後5時ごろ、志戸桶集落の墓地は仕事を終えた人たちでにぎわい、先祖に感謝の気持ちを伝えた。

 

小野津の薫勇治さん(73)は「小さい頃から先輩方が先祖を大切にしていたのを見てきたので、自分たちも子どもたちにつなげたい」と語った。