「守り抜く」決意示す 陸自駐屯地開設5周年記念行事 奄美駐屯地

2024年02月26日

社会・経済 

多くの地域住民が来場した陸自駐屯地開設5周年行事の会場=25日、奄美市名瀬の陸自奄美駐屯地

陸上自衛隊奄美駐屯地(奄美市名瀬大熊町)と瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)が3月26日に開設5周年を迎えるのを前に、奄美駐屯地で25日、記念行事があった。記念式典や離島奪還を想定した訓練の公開が行われたほか、ステージ演奏、車両の体験試乗などもあった。昨年に続き2度目の同駐屯地一般公開。奄美大島の首長ら来賓や隊員の家族、地域住民など約2700人が来場した。

 

奄美駐屯地には防空を担う中距離地対空誘導弾(中SAM)部隊や警備部隊、電子戦部隊のほか、昨年4月には業務隊が新編され、約420人の隊員が所属している。瀬戸内分屯地には対艦戦闘を実施する地対艦誘導弾(SSM)部隊など約210人が駐在する。

 

記念式典で長谷川健奄美警備隊長兼奄美駐屯地司令は、厳しさを増す日本の安全保障環境を指摘し「奄美群島に陸自駐分屯地が開設された理由は、わが国に侵害を加えることは容易ではないと相手に認識させ、脅威が及ぶことを抑止するという防衛目標を達成するため」と述べ、自治体、関係機関と連携した任務遂行能力向上や災害対応を含む迅速な運用能力強化を強調。「万が一最悪の事態が生起した場合は、いかなる状況下においてもわれわれ奄美駐屯地、瀬戸内分屯地の隊員がこの奄美群島を必ず守り抜く」と誓った。今年度に入隊した隊員15人の決意表明もあった。

 

式典後は、武器や小銃を使用した格闘展示、離島奪還を想定した模擬戦闘訓練が公開された。同日は悪天候となったが、家族連れなどが多く来場。ステージ演奏や車両の体験試乗、記念撮影を楽しむ姿が見られた。