バニラ・エア運航終了 5年間で約75万人利用 10月からピーチへ路線移行

2019年09月01日

社会・経済 

奄美関係の運航を終了したバニラ・エアの成田行き最終便を見送る空港職員ら=31日、奄美空港

奄美関係の運航を終了したバニラ・エアの成田行き最終便を見送る空港職員ら=31日、奄美空港

 格安航空会社(LCC)バニラ・エア(本社・千葉県成田市)は31日、奄美関係の運航を終了した。2014年の就航以来、成田線約55万人、関空線約20万人が利用。奄美大島を中心に「バニラ効果」と呼ばれる経済効果を生み出した。奄美路線は今後、経営統合するピーチ・アビエーション(本社・大阪府田尻町)が引き継ぐ。

 

 バニラ社の奄美関係路線は成田線が14年7月に初就航、17年3月には関空線が開設した。奄美市への大型クルーズ船の就航なども合わせ、奄美群島外から各島へ訪れた入域客数は18年に過去最多の67万8千人を記録した。

 

 ピーチ社は本年度末までにバニラ社とブランドを統一し、奄美―成田線を10月1日、関空線を12月26日に各1往復で運航開始する。機材はいずれもA320―200(180席)。

 

 日本初のLCCでもあるピーチ社は関東・関西とアジア各国を結ぶ海外路線に力を入れている。同社広報部の市村雅人マネージャーは「観光資源開発や広報で奄美へ訪日外国人旅行者を呼び込む。世界自然遺産登録実現への機運も高めていきたい」と語った。

 

 同社は今後、機内誌で奄美のPRを行うほか、機内食に奄美のおもてなし料理「鶏飯」を加えるという。