人員不足など課題 宇検村 豪雨災害一カ月、対応検討

2023年07月22日

社会・経済 

活発な意見交換が行われた対策検討会=21日、宇検村

奄美大島南部を中心に土砂災害や浸水被害をもたらした豪雨から1カ月。宇検村では21日、この豪雨に伴う災害対応の検討会が村役場で開かれた。孤立状態となった6集落の区長のほか、消防や漁業協同組合、行政関係者ら約30人が出席。災害応急組織や消防救急の体制、孤立集落における生活安定の緊急措置等の課題と対応策などについて意見を交わした。

 

同村では、6月20日午後6時2分に大雨警報が発表され、同7時には村内全域(967世帯、1656人)に避難指示が発令。同11時20分に避難指示が解除されたが、県道79号(名瀬瀬戸内線)須古から県曽津高崎線627号屋鈍までの3カ所で土砂崩れが発生し、6集落が孤立状態となった。道路復旧までの4日間で、村内の被害状況は、床上浸水6件、床下浸水28件、住宅半壊1件に及んだ。

 

検討会では、初動対応や海上輸送船による物資支援等が迅速に行われたとする一方、▽早めの避難▽避難所(学校)への職員配置▽組織体制の在り方―など、台風対策との違いや対応人員の不足に関する課題が多く挙がった。

 

孤立した集落の区長からは「各集落で被害状況にずれが生じ、避難誘導のタイミングなどに困った」や「集落には消防団員が1人しかおらず、動ける人員が限られており、災害が長期化した時に不安だ」といった声が寄せられたほか、河川氾濫の防止対策として放水路の建設などの要望があった。

 

元山公知村長は「充実した検討会となった。皆さんから寄せられた意見を踏まえて、引き続き、災害、防災対策に積極的に取り組んでいく」と述べた。