余った食品を地域で活用 「フードドライブ」BOX設置 パチンコ業界初参画「KING」奄美市

2023年07月19日

社会・経済 

パチンコ店内に設置されたフードドライブBOX=17日、奄美市

奄美観光(本社奄美市、渡慶彦代表取締役社長)が経営する奄美市名瀬のパチンコ店「PACHINKO&SLOT KING」は17日、家庭で余った食品などを募る「フードドライブ」のBOXを同店舗内2カ所に設置した。奄美大島では業界初の試み。回収された食品は、NPO法人「フードバンク奄美」(小野隆三理事長)を通し、生活困窮者支援団体や福祉施設、子ども食堂などに寄付される。

 

フードドライブは、安全に食べられるのに廃棄されてしまう食品や食材を回収し、地域のフードバンク団体などを経由して、食料支援を必要とする団体・施設へ寄付する活動。食品ロス削減や貧困問題の解消、福祉の「分け合う心」の醸成などを目指す。

 

同店では社会貢献の一環として、約10年前から独自に、常連客らから提供を受けた景品のお菓子などを福祉施設等に無償譲渡する活動を展開。提供量の増加に伴い、有意義な活用、寄付先の拡大を目的に、フードドライブへの参画を決めた。脇田龍一主任(37)は「他店でもこの活動が広がり、一緒に協力しながら、地域のために役立っていければうれしい」と語った。

 

奄美名瀬ライオンズクラブを母体とするフードバンク奄美の窪田均副理事長(64)は「新たな業種の力添えはありがたい。これを契機に、活動の裾野が広がることに期待する」と述べた。

 

受け付けが可能な食品は、未開封の加工食品(お菓子類や防災備蓄品等)、常温保存が可能なもの(米や缶詰、レトルト食等)、賞味期限が1~3カ月以上、未開封の調味料(しょうゆ、塩等)など。