初の戦闘機離着陸訓練 奄美・徳之島の両空港で 自衛隊統合訓練

2023年11月02日

社会・経済 

航空自衛隊那覇基地に駐機中の航空自衛隊F15戦闘機=9月5日、沖縄県那覇市

奄美群島を含む全国で11月に行われる「自衛隊統合演習」で、奄美空港(奄美市笠利町)と徳之島空港(天城町)では航空自衛隊の戦闘機による離着陸訓練が実施されることが1日までに分かった。自衛隊の戦闘機による訓練実施は、両空港では初めて。

 

統合幕僚監部によると、奄美・徳之島の両空港では航空機や車両を使った航空作戦や水陸両用作戦の訓練を実施。一日に最大4機のF15戦闘機が、着陸直後に再び加速して離陸する「タッチ・アンド・ゴー」などを行う。徳之島空港では低空侵入機の早期発見や、陸・海部隊との作戦連携や通信中継など、航空作戦を効果的に遂行するE2C早期警戒機も飛来する予定。同空港に着陸後、燃料の補給などを行う。17日には空挺(★くうてい)降下や着上陸作戦など徳之島で行われる訓練の一部を報道機関に公開する。

 

鹿児島港や志布志港から防衛省が契約する民間船で名瀬港へ物資を運搬、奄美市笠利町の旧奄美空港跡地で集積する訓練なども予定されている。

 

政府は「国家安全保障戦略」に基づく防衛強化を目的に、必要性が高い施設を「特定重要拠点(仮称)」に指定し、民間空港や港湾を拡充・整備する方針。木原稔防衛相は9月29日の記者会見で「防衛上、多様な空港・港湾を平素から円滑に利用できることが重要。輸送手段が船舶や航空機に限られる南西諸島には部隊運用上の有用性が高い空港や港湾が既にあり、これらを整備し、自衛隊が利用できるようにすることが必要」と述べている。