反物商品化「反響大きい」 碇山さん(龍瀬小4年)の図案 製品化コン最優秀賞 本場奄美大島紬

2023年02月23日

社会・経済 

第34回本場奄美大島紬原図展・製品化コンテスト最優秀賞に輝いた反物と制作した前田紬工芸の前田さん(右)、図案を描いた碇山さん=22日、奄美市名瀬

第34回本場奄美大島紬原図展・製品化コンテストで最優秀賞に輝いた反物は、龍郷町の龍瀬小学校4年、碇山月子さん(10)が描いた図案を基に制作されている。伝統的な龍郷柄にアレンジを加え、ヒカンザクラの模様をあしらった。織り上げた同町、前田紬工芸の前田圭祐さん(36)は「反響が大きい。多くの人に好まれるデザイン」と賞賛した。

 

製品化コンテストは、本場奄美大島紬原図コンテストで入選した図案を基に制作された反物が審査対象。直近の2021年度原図コンテストは164点(うち児童34点)の応募があり、9点が入選した。児童作品の入選は碇山さん1人。

 

原図コンテストの審査にも携わった前田さんは「審査後に児童作品だと分かり、改めて完成度の高さに驚いた」と振り返り、製品化に当たっては「図案ににじむ碇山さんの個性を尊重し、ヒカンザクラの見せ方などにこだわった。新たな龍郷柄が生まれた」と語った。

 

22日の製品化コンテスト表彰式には碇山さんも出席。賞状を受け取った前田さんと受賞を喜び合い、反物とともに記念撮影した。碇山さんは「(受賞は)うれしい。いろんな人に着てほしい」と笑顔を見せた。

 

本場奄美大島紬協同組合によると、来月審査がある22年度原図コンテストも児童生徒からの応募数は前回並みかそれ以上。若い世代に伝統文化を継承するきっかけづくりとして、関係者の期待も高まっている。