小野寺さん功績たたえる 世界遺産登録に尽力 著書出版祝賀会
2022年07月28日
社会・経済
元環境省自然環境局長・小野寺浩さん(76)の著書「世界遺産 奄美」(南方新社)の出版祝賀会が25日、奄美市名瀬の集宴会施設であった。島内外の関係者約60人が出席し、奄美・沖縄の世界自然遺産登録に尽力した小野寺さんの功績をたたえた。
小野寺さんは1973年環境庁(現環境省)入り。2005年自然環境局長を退任。90年から鹿児島県庁に出向し、屋久島の世界自然遺産登録に携わった。奄美・沖縄の世界自然遺産地域科学委員会委員。
「世界遺産 奄美」は2月に出版。自然保護に関する行政経験を基に、これまでの国立公園や世界自然遺産とは異なる奄美の独自性を解説し、人と自然が共生する「奄美モデル」の世界への発信を提唱した。
祝賀会は地元有志の実行委員会が主催。浜田太実行委員長は体調不良で出席できず、ビデオメッセージで小野寺さんの足跡をたどり、「屋久島の登録から30年、奄美・沖縄の登録に人生をかけて取り組まれた」と述べた。
出席者からテーブルスピーチで祝福を受けて、小野寺さんは「(奄美・沖縄の)登録まで18年という長い時間が掛かった。よくぞ世界遺産にたどりついた」と関係者らに感謝し、「奄美モデルが日本、世界を引っ張っていくように必ずなる」と力を込めた。