日米共同訓練が本格化 北海道の陸自部隊が到着 奄美大島
2023年09月20日
社会・経済
奄美大島で行われる日米共同訓練「オリエント・シールド23」に参加する陸上自衛隊の関係部隊と車両が19日、防衛省のチャーター船で奄美大島入りした。奄美で初展開する陸自の多連装ロケットシステム「MLRS」も到着。米陸軍の「マルチドメイン・タスクフォース(多領域部隊)」との共同対艦戦闘訓練として、12日に到着した米軍の高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」との非実射連携訓練などを奄美駐屯地(奄美市名瀬)で行う。21日には米軍小型揚陸艇部隊との物資輸送訓練を名瀬港などで実施予定。
19日午前8時ごろ、防衛省が事業契約する双胴高速フェリー「ナッチャンWorld」(1万549トン)が北海道広尾町の十勝港から奄美市名瀬の名瀬港観光船バースに接岸した。奄美大島での訓練の主力となる北部方面隊第5旅団の第6即応機動連隊(美幌駐屯地)を中心に、第1特科団、第1高射特科団など約150人が奄美入りした。96式装輪装甲車など車両約40台も同船から降り、奄美駐屯地へ移動。陸自の多連装ロケットシステム「MLRS」1台を載せたトレーラーは名瀬港に待機し、夜間に出発した。
21日には米軍小型揚陸艇部隊との初の連携訓練として、沖縄本島から名瀬港を経由して、同市名瀬の名瀬運動公園、奄美駐屯地および瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)に補給品を輸送する兵たん訓練を行う見込み。19日は同公園で下見や準備などを行った。奄美大島での訓練は23日まで行われる予定。
オリエント・シールド(東洋の盾)は陸自が毎年1回、国内で行う米陸軍との共同訓練。日米同盟の抑止力・対処力強化が目的で、陸自と米陸軍がそれぞれの指揮系統に従って共同作戦を行い、連携強化を図る。奄美大島での訓練は4回目。