住宅地変動率トップは龍郷町 世界遺産効果などで奄美の商業地上昇 県全体は32年連続下落 23年地価調査

2023年09月20日

社会・経済 

県は19日、2023年の地価調査結果(7月1日現在)を公表した。全用途の平均変動率は県全体で前年比1・2%減となり、32年連続でマイナス変動となった。市町村の平均変動率順位(プラス変動)をみると、住宅地は龍郷町が1・8%で県内トップ。瀬戸内町が0・4%で2位だった。商業地は2・5%の西之表市に次いで、龍郷町2・1%、瀬戸内町1・3%、奄美市0・5%と続いた。地価調査鑑定評価員は、奄美大島の複数の自治体が変動率上位だった理由について「世界自然遺産登録効果や、名瀬港本港地区(奄美市)の埋立地で進む整備への期待感が数字に表れたとみられる」と分析している。

 

住宅地の1平方メートル当たりの県平均価格は2万7600円。市町村別の最高額は鹿児島市の9万2500円で、次いで奄美市2万5300円、姶良市1万7800円、霧島市1万5300円、瀬戸内町1万5100円の順だった。

 

商業地の県平均価格は8万1000円で、鹿児島市の24万8900円が最高。奄美市5万8000円、瀬戸内町5万5200円、徳之島町4万8800円、姶良市3万8800円と続いた。

 

奄美市名瀬の中心市街地と奄美空港の中間に位置する立地条件などを背景に、住宅地、商業地ともに平均変動率の上昇が続く龍郷町の平均価格は住宅地が1万900円、商業地が1万4700円だった。商業地の平均変動率順位がトップだった西之表市は、馬毛島で進む自衛隊基地整備の影響で地価が上昇したとみられている。

 

地点別の最高価格は、住宅地が鹿児島市上荒田町17番5の24万6000円で11年連続1位。商業地は6年連続で同市東千石町14番3の102万円だった。

 

調査対象は県内全域の住宅地、商業地、工業地、宅地見込み地、林地の計420地点。林地を除く全用途で継続調査した404地点のうち、地価が上昇したのは83地点、変動なしが59地点、下落が262地点だった。