環境保全と地域振興の推進へ 宇検、上智大、JAL、伊藤忠が連携協定 4者の専門性など生かす
2023年09月18日
社会・経済
宇検村と伊藤忠商事(本社東京、石井敬太代表取締役社長COO)、上智大学(上智学院運営、東京、アガスティン・サリ理事長)、日本航空(JAL、本社東京、赤坂祐二代表
取締役社長)は17日、環境保全と地域振興に関する連携協定を締結した。4者それぞれの専門性や人的・物的資源を生かし、ゼロカーボンシティや生物多様性の保全回復、新たな人流の創出などの取り組みを推進する。
宇検村は脱炭素社会の実現に向け、2014年から単位面積当たりの二酸化炭素(CO2)吸収量が多いマングローブ林の再生プロジェクトを進めており、伊藤忠商事は21年から同プロジェクトを支援、23年8月に同村の枝手久島のマングローブ植林事業に関する覚書を結んだ。上智大とJALは、22年から同村を舞台とし、「環境保全」と「観光促進による地域活性化」の両立を目指す〝奄美モデル〟の構築の研究を展開している。
連携協定では、4者の緊密な連携と協力の下で持続可能な事業推進を図るため、互いの役割や活動内容を明文化。具体的には▽観光資源や調査・研究フィールドの提供(宇検)▽マングローブ植林の学術的知見の提供(上智大)▽体験型エコツーリズムの企画・実施(JAL)▽自然体験による次世代青少年育成(伊藤忠)―など。
同村湯湾の「元気の出る館」で開かれた締結式では4者の代表が協定書に署名、押印。元山公知村長は「宇検村は世界自然遺産にもなった自然と共生する集落(シマ)の文化を大切にしてきた。村民の暮らしの豊かさはこの自然の中で成立しており、これから先も普遍的価値を守り継ぎ、地方から新たな日本を作るという強い意志と誇りを持って4者で前進していく」と述べた。
4者は連携協定を結ぶに当たり、マングローブ植林事業の実施場所である枝手久島を海上視察。12月、JALは同地で植林体験と上智大とSDGsのワークショップを組み合わせたモニターツアーを計画している。