紬と産地の魅力発信へ SAP協定を締結 龍郷町・銀座もとじ
2025年04月25日
社会・経済

紬と産地の魅力発信へ SAP協定を締結 龍郷町・銀座もとじ
龍郷町は19日、東京都で和装販売店を展開する銀座もとじ(泉二啓太代表取締役社長)と官民連携で地域解決の課題解決を図る、龍郷町ソーシャルアクションパートナー(SAP)協定を締結した。同町と銀座もとじが協働し、本場奄美大島紬(つむぎ)やその産地である同町の魅力を発信していく。
本場奄美大島紬を巡っては、生産反数がピーク時の1%程度にまで低迷し、生産者の高齢化や技術の継承が課題となっている。協定を締結することで両者は、大島紬のさらなる販路拡大や商品開発、後継者育成などに連携して取り組み、龍郷町は銀座もとじの事業や企画イベントに対する支援・協力も行う。同活動が産地である町の魅力発信と、伝統産業を担いたいと希望する島内外の多くの人に情報が行き届くことにもつながると、期待が高まる。
竹田町長は「(創業者の)泉二弘明会長が龍郷町出身。これまでにも交流があり、昨年はツアーの開催で種下ろしを見学するなど、地域の自然と文化に触れていただいた。紬文化の発信や交流人口の増加に向け、今回の協定をお願いし、快く引き受けていただいた。お互いの相乗効果でさらに地域を活気づけていきたい」と述べた。
銀座もとじの泉二啓太社長は「大島紬は銀座もとじの原点。週2回、大島紬の機織りを店頭で行い、日本だけでなく海外客にも興味を持ってもらっている。『銀座産』大島紬を仕立て、購入者が着て龍郷町に里帰りするツアーを今年も開催予定」と述べ「小売りとして、大島紬を将来の伝統文化の担い手も含めて一人でも多くの方に届けたい」と抱負。
同町中勝出身の泉二弘明会長は「この業界に入ったのも父の形見の大島紬がきっかけ。故郷のために喜んでお引き受けし、PRしていきたい」と語った。
締結式は東京都の「銀座もとじ和織」であり、大島紬の特別展開催中に行われた。