「観光基本計画」を初策定 自然と文化〝シマの宝〟活用 宇検村

2023年07月21日

社会・経済 

宇検村「観光基本計画」の策定を喜ぶ(右から)元山公知村長と事業受託事業者の新元一文代表理事=19日、宇検村

宇検村は19日、観光振興を戦略的に推進するための指針「観光基本計画」を発表した。2023年度からの10カ年計画で、観光に係る基本計画の策定は初。今後は「見えないモノを感じる観光プロジェクト」と題した同計画に基づき、自然や文化などの地域資源〝シマの宝〟を活用し、「住んでよし、訪れてよし」のまちづくりを目指す。

 

同村は22年度に第6次総合振興計画を策定。施策の一つに「奄美の自然と歴史を伝える観光振興」を掲げ、同年9月、商工会や物産協会、ガイド協会などの関係者から成る観光基本計画策定委員会を立ち上げた。

 

受託事業者である一般社団法人巡めぐる恵めぐる(新元一文代表理事)が中心となり、振興計画と観光コンセプト「見えないモノを感じる」の素地となった地誌「なぎ物語」(1994年発行)を基調に、14集落の聞き取り調査や協議、検討を重ね、23年3月に観光基本計画をまとめた。

 

同計画は▽地域DNA(地域が潜在的にもつ魅力)の視覚化▽滞在交流型観光システムの構築▽観光地づくりのプラットフォームの強化―など六つの柱を軸とする。地域の魅力を〝宝〟として打ち出し、観光資源を生かした「稼ぐ力」の創出、人と人のつながりによる居住人口の増加を狙う。

 

計画実現に向けた数値目標も盛り込んだ。具体的には、28年3月までに▽シマ博体験メニュー数は23年3月比14件増の26件▽宿泊施設数は同比3軒増の11軒▽宿泊者収容人数(1日最大ベッド数)は15人増の114人―とした。

 

元山公知村長は「宇検村が大切にしてきた自然や人々の暮らしや文化を強みとし、村民のための観光振興を進めていく。『宇検村(シマ)らしさ全開!』で、宇検村ファンや関係人口の創出、拡大に努めたい」と述べた。