どぅくさぁや館周辺有力 温泉源調査「可能性高い」 龍郷町

2023年01月28日

社会・経済 

龍郷町の温泉源調査で温泉開発の最有力候補地とされた町保健福祉センター「どぅくさぁや館」(中央左側)前、テニスコートと相撲場の間=27日、同町瀬留

龍郷町は27日、地域振興策を探る一環で昨年実施した温泉源調査の結果を明らかにした。民間委託で地表付近の試料を基に地下鉱床を探査した結果、温泉開発できる可能性が高い掘削候補地は主に同町瀬留の町保健福祉センター「どぅくさぁや館」周辺。掘削の是非を含む今後の方針について、町側は「住民の意見も踏まえながら、官民連携による利活用も視野に検討を進めたい」としている。

 

温泉源調査は昨年7~12月ごろ、鹿児島市の地質調査会社・日本ジオテックが同町浦地区付近で実施した。温泉を含む可能性がある46地点で地表付近の試料を採取・分析し、温泉源の深度や想定される温度、泉質などを解析。掘削候補地3カ所を提示した。

 

温泉開発できる可能性が最も高い第1候補地は、どぅくさぁや館前のテニスコートと相撲場の間。付近の地熱兆候が強く、43~48度の温泉が想定されるという。必要な掘削深度は1500メートル以上。同社は開発総合評価を「極めて有望」としている。

 

これに次ぐ第2候補地は、どぅくさぁや館に隣接する町中央グラウンドの西側出入口付近。第1候補地より想定温度が2度低く、掘削深度が100メートル深い。第3候補地は同町浦の島育ち産業館近く。第1候補地より想定温度が5度低く、掘削深度が200メートル深い。

 

こうした調査結果について、町は27日、集落区長が集まる駐在員会1月定例会で報告。担当者が「『温泉が出る可能性が高く、枯渇する可能性は低い』と聞いている。周辺既存施設との兼ね合いもある。地域活性化につながる方向性を探りたい」と説明した。