スポーツ合宿誘致に力 与論町

2019年02月27日

社会・経済 

与論町多目的運動広場「ゆいランド」の人工芝グラウンド=24日、同町茶花

与論町多目的運動広場「ゆいランド」の人工芝グラウンド=24日、同町茶花

 与論町の多目的運動広場「ゆいランド」は開設から1年が経過した。サッカーなどの競技に活用できる約8100平方メートルの人工芝グラウンドを備えたのが特徴。トレーニングルーム付きのクラブハウスもある。スポーツ関連施設の充実に伴い、町側は本年度から、主に観光閑散期となる冬季のスポーツ合宿誘致に力を入れている。

 

 人工芝グラウンドの隣はその約半分の広さの天然芝サブグラウンドがあり、発光ダイオード(LED)の夜間照明8基や防球ネット、長さ80メートルの観客席も整備されている。クラブハウスは2階建て。シャワー付きの更衣室や休憩室、介護室、キッズルームも完備した。

 

 島内には、テニスコートが4面取れる屋内運動場、バレーボールコートは3面使える総合体育館(砂美地来館)、屋内25メートルのB&G海洋センタープールなどの運動施設がある。

 

 町教委によると、ゆいランドの整備に伴い、昨年7月には滋賀県から中学、高校生のサッカークラブチームの33人が合宿で来島し、地元チームと交流試合も行った。また、団体、個人合わせて年間延べ約1500人がウインドサーフィンの合宿や練習で島を訪れている。

 

 一方、マリンスポーツ以外では個人合宿はあるものの、団体の受け入れは少ないのが現状。現在、町はホームぺージなどで関連施設の情報を発信してサッカーやラグビー、グラスホッケーなどの合宿誘致活動を展開している。

 

 今月中旬からは、沖縄県の民放テレビでコマーシャルを流して「スポーツアイランド与論島」をPRしており、町教委生涯学習課の大馬福徳課長補佐は「与論町は温暖で冬季のスポーツ合宿の適地。CMが沖縄で合宿中のチーム関係者の目にとまり、関心を持ってもらえたら」と話した。町は今後も着実に実績を積んでスポーツ合宿地としての魅力を磨きながら、合宿誘致を進めたい考えだ。

 

 ヨロン島観光協会によると、2018年の同島への入り込み客数は昨年より約3千人少ない6万9050人。一昔前と比べて夏場の観光ハイシーズンと冬場の閑散期の差は徐々になくなっているものの、月別にみると最も多い8月と、最も少ない1月、2月では現在も2倍程度の差がある。

 

 同協会の町岡安博事務局長は「冬場は旅行会社による沖縄経由や奄美各島を巡るツアーの団体客がほとんどで個人の旅行客は少なめ。冬季にスポーツ合宿などが増えれば、島の観光にとっても喜ばしい」と語った。