パッション収穫始まる 瀬戸内町 生育順調、品質に自信

2023年06月13日

社会・経済 

赤紫に色づいたパッションフルーツを収穫する園主の桐山総さん=12日、瀬戸内町嘉鉄

瀬戸内町の重点振興品目で、皇室献上品として知られるパッションフルーツが収穫期を迎えている。シーズン本格化を前に瀬戸内パッションブランド産地協議会(有田修一会長)は12日、会員の桐山総さん(54)が所有する同町嘉鉄のハウスで収穫祭を開いた。会員らはハウスで収穫した果実を試食して品質に安堵の表情を浮かべるとともに、7月下旬まで続くシーズンへ期待を寄せた。

 

町農林課によると、今期の町内での栽培面積は2・6ヘクタールで、生産量は前期実績比0・4トン増の40・6トンを見込む。有田会長は今期の生育について「梅雨入り前の日照時間が長く、色乗りがよく玉肥大も良好。糖度も高く高品質な仕上がりになっている」と自信をのぞかせた。

 

園主の桐山さんは2019年にIターンして就農。過去3年間は町のハウスを借りて栽培していたが、昨年営農用ハウスを整備した。今期が自身のハウスで初の収穫で「酸味が少なく甘味が強い自信作。多くの人に食べてほしい」と語った。

 

同町では16年に産地協議会が設立され、現在25人の生産者が会員として果実生産に取り組んでいる。10年連続で「かごしまの農林水産物認証制度」(K―GAP)の認証を受けているほか、県を代表する農産物として指定される「かごしまブランド団体」にも認定されている。

 

瀬戸内パッションは6月下旬から7月初めに出荷のピークを迎える。今年は16日に宮内庁へ発送を予定している。