マリンタウン地区、建設ラッシュ 残り4区画分譲、近く公募へ 20日は2施設が起工式奄美市名瀬

2022年08月21日

社会・経済 

分譲地で建物の整備が本格化しているマリンタウン地区=20日、奄美市名瀬

県と奄美市開発公社が同市名瀬矢之脇町に造成した名瀬港本港地区(マリンタウン地区)の分譲地で建物の整備が本格化している。20日はホテル、マンション各1棟の起工式があり、関係者は建築工事の安全を祈願した。同市によると、造成地の分譲は全18区画のうち14区画を売却(予定含む)し、残る4区画についても今月下旬以降に公募を開始する計画。今後も官民による都市開発が進む見込みだ。

 

同地区の整備事業は、入舟町側の中央埠頭(ふとう)から塩浜町側の新港までの旧商港域を閉め切り、埋立地を造成して都市機能用地や緑地、道路を整備する大規模事業。2019年3月に埋め立てを終え、21年3月以降には、同地区を縦断する臨港道路「本港佐大熊線」と接続する市道各路線の供用を開始した。

 

市財政課によると、造成地の分譲は区画ごとに用途を指定し、21年度までに2回公募。9事業者と14区画の売買契約を完了する見込みだという。売却された土地では遊技施設が開業し、ホテル建設、県の緑地整備などが進んでいる。

 

20日、同地区ではアドヴァンスランド(同市名瀬、平淳一代表取締役)による宿泊施設「ホテルウエストコート奄美(HWCA)Ⅲ」と、エムズ(鹿児島市、指宿忠一代表取締役)による分譲マンション「エムディア奄美Ⅱ」の起工式が各建設予定地で行われた。

 

HWCAⅢは22日着工、23年9月21日竣工予定。鉄骨造4階建て(延べ床面積約1556平方㍍)で、客室40室(約100人収容)のほか、宿泊客用ラウンジや宿泊客に限らず軽食などを販売する飲食スペースなどを備える計画。平代表取締役は「宿泊の有無を問わず気軽に立ち寄ってもらい、奄美を感じられる施設にしたい」と語った。

 

エムディア奄美Ⅱは今月着工、24年6月竣工予定。鉄筋コンクリート造10階建て(延べ床面積約4030平方㍍)、総戸数49戸で間取りは2LDKと3LDKの2種類。7月に販売開始し、約3分の1が成約済みだという。指宿代表取締役は「景観が魅力の1棟目(同市名瀬小浜町)に対し、2棟目の強みは市街地に近い利便性」と語った。

 

同地区で残る4区画の分譲公募について、市財政課は「8月下旬、または9月上旬あたりに開始する方向で準備している」とした。