交流が高齢者の幸せ 「観光×福祉」で島の魅力発信 知名町の「ホームかがやき」

2023年01月16日

社会・経済 

持続可能性をテーマとしたツアーで、「ホームかがやき」のバイオガス生成装置と湯沸かし実演を見学する参加者ら=13日、知名町

【沖永良部総局】知名町の小規模多機能型居宅介護事業所「ホームかがやき」(末川大喜代表・管理者)は「観光と福祉の連携」を掲げ、施設内に旅行客を受け入れて利用者との交流を図るなど、ユニークな取り組みで注目を集めている。

 

さまざまな人との交流による利用者の幸せづくりとともに、旅行客が高齢者との交流で文化や人の温かさなど島の魅力に触れる、観光と福祉の相乗効果を狙った。2021年4月からツアーの受け入れを開始。22年11月末からは生ごみを資源化させる実証事業に協力し、施設庭にバイオガス生成装置を設置していることから、地球環境問題やサステナビリティ(持続可能性)などに興味のある団体、個人の視察も増えたという。

 

今月13日はおきのえらぶ島観光協会のモニターツアーの一環で、持続可能性を学ぶオンラインコミュニティー「SUSTAINABILITY COLLEGE(通称・サスカレ)」のメンバー9人が施設を訪問した。末川代表(39)が施設の概要やバイオガス生成装置の機能を説明し、バイオガスを使った湯沸かしを実演。昼食は同事業所の手作り弁当でもてなした。

 

ツアーの目的に応じて内容は変更。観光メインであれば、利用者の歌を披露することもある。利用者の手作り品を土産物として販売する取り組みも好評で、利用者の作る意欲にもつながっているようだ。

 

職員の理解もあり、介護職員の盛山あつ子さん(64)は「コロナ禍でもあり、利用者が外部の人と接する機会がほとんどない中、感染防止策を施しながらではあるが、観光客の皆さんから利用者に声を掛けてもらえるのはとてもいいことだと思う。利用者もだが、職員もいろんな人との出会いや話が聞けるのを楽しみにしている」と笑顔で話した。

 

末川代表は「高齢者と茶を飲みながら話をするのも島の魅力の一つだと思う。同時に外から人が来ることが利用者の楽しみ、いい刺激になっている。介護の魅力の再認識にもつながれば」と話した。