人生の最期 どうありたい? 「もしバナ」ゲームで研修 キャンナス奄美

2024年04月13日

社会・経済 

「もしバナゲーム」に取り組む参加者たち=7日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA

有償ボランティアナースの会「キャンナス奄美」(野崎美香代表)は7日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAで、終末期の医療やケアを考えるACP(アドバンス・ケア・プランニング)について学ぶ研修会を開いた。参加した医療従事者ら14人は、「もしものための話し合い(もしバナ)」をする「もしバナゲーム」を実践し、自分の終末期について考える手法を学んだ。

 

もしバナゲームは亀田総合病院(千葉県)の医師らで作る一般社団法人iACP(アイ・エーシーピー)が翻訳・販売しているカードゲーム。死の間際に「大事なこと」として人がよく口にする35の言葉が記された36枚のカードを使い、自分の余命がわずかと言われた時に大事にしたいカードを取捨選択していく。「家族と一緒に過ごす」「痛みがない」など優先したい価値観に向き合い、一緒にプレーする人と語り合って理解を深める。

 

研修会で参加者は4人1グループになり、黙々とカードを取捨選択。最後に手元に残った5枚のカードについて、なぜそのカードが重要かを語り合った。

 

講師を務めた岩手保健医療大学の三浦靖彦教授は、「人生の物語は書き換えが必要になってくる。今の答え(選択)を写真で残しておくことが大事」とカードの撮影を促した。

 

ゲームを体験した参加者は「大事にしたいことを聞かれても言葉に出てこないが、カードに助けてもらうことで思ってもいなかった自分の価値観に気が付いた」「白紙のエンディングノートに希望を書き出すのは難しいが、カードを使うとゲーム感覚で自分に向き合える」と感想を語った。

 

三浦教授は「自分が大事にしていることを書いておく方が具体的な医療行為を指示しておくことより大事。もしバナゲームはそのための大事なアイテムになる」とアドバイスした。

 

もしバナマイスターの佐藤美恵さん(ネリヤ訪問ステーション看護師)は「何度もするうちに、どうしても手放せないカードが出てくるなど気持ちの整理ができる。いろんな人たちとさまざまな場面でしてみてほしい」と話している。問い合わせは電話090(8662)3256キャンナス奄美。