初の降下訓練、住民見守る 陸自と米海兵隊によるIF23 徳之島

2023年03月05日

社会・経済 

徳之島で初めて行われた降下訓練と、その様子を見守る地域住民=4日、徳之島町花徳

陸上自衛隊と米海兵隊による日米共同訓練「アイアン・フィスト(IF)23」は4日、徳之島で陸上自衛隊第1空挺団によるパラシュート降下訓練があった。降下訓練は3日に喜界島でも実施。徳之島での降下訓練は初めてで、訓練が行われた徳之島町の花徳浜では地域住民など約300人が、空から降下してくる同空挺団の隊員を見守った。

 

徳之島での演習は3日から本格化。同島での訓練には陸自と海上自衛隊から約700人、米側は第31海兵機動展開部隊や海軍第7艦隊から約800人が参加した。降下訓練は3日に同海岸であった陸自水陸機動部隊の着上陸訓練と連携して行う予定だったが、悪天候のために中止となり、4日に単独で実施した。

 

訓練で使用したパラシュートは自由降下傘と呼ばれる高い高度からピンポイントで目的地に降下するために用いられる。同空挺団によると特別な教育課程の修了が必要。

 

降下訓練は午後2時に開始。高度約2千メートルを飛行する米空軍の輸送機から同団の隊員計8人がパラシュートで降下し、着地した隊員に拍手や歓声を送る住民の姿もあった。

 

訓練後には装備品展示もあり、訪れた男子中学生は「パラシュートを背負わせてもらったけどものすごく重かった」と話した。

 

IFは水陸両用作戦を軸に装備展開や模擬戦闘、後方支援を実践する大規模演習で、国内での実施は初めて。徳之島、喜界島、沖縄県の米海兵隊駐屯地キャンプ・ハンセン、大分県の陸自日出生台演習場などで実施する。

 

奄美群島での日米軍事訓練は2019年に初めて実施されて以来、今回で5回目。今年度は昨年8~9月と11月にも実施された。海洋進出を強める中国を念頭に、南西諸島の防衛強化をアピールする狙いがあるとみられる。