創立110年記念式典をPR ブラジル県人会長の文岡さん 奄美市と宇検村を訪問

2023年01月29日

社会・経済 

宇検村役場を表敬訪問した(前列右)文岡セルジオ正樹さん=27日、宇検村(同村提供)

ブラジル鹿児島県人会会長で奄美移民2世の文岡セルジオ正樹さん(54)=サンパウロ市=が27日、奄美市役所と宇検村役場を表敬訪問し、サンパウロ州で8月6日(現地時間)に開催する「県人移民115周年・県人会創立110周年記念式典」の案内状を安田壮平市長と元山公知村長に手渡した。

 

文岡さんの父・勝さん(享年65)は宇検村生勝、母・賀津子さん(78)は同村湯湾の出身。文岡さんは13歳の時、父親が所属していた農業協同組合「コチア産業組合」の訪日ツアーへの参加を契機に日系社会と接点を持ち、2017年に県人会副会長、21年に25代会長に就任した。奄美ゆかりの会長は歴代初。

 

現在、1700世帯が同会に加入。会報紙「ブラジル鹿児島県人会便り」をはじめ、新年会や敬老会、運動会などを通し、会員の親睦を深めている。また、南米最大級の日本文化を紹介する「日本祭り(フェスティバル・ド・ジャポン)」に毎年参加。鹿児島県の魅力や特産品などを紹介するブースを出店し、日伯の経済発展にも尽力している。

 

記念式典は、高齢化で帰郷が難しい移民1世やルーツの地を訪れたことのない3世、4世など次世代と母県との絆の強化が目的。式前日の5日には、外務省が所管する日本文化の海外発信拠点「ジャパン・ハウス サンパウロ」で、世界自然遺産に登録された奄美や県の魅力をPRする関連記念イベント「鹿児島デー(仮称)」の開催も予定しており、現地での県の知名度向上にも努める。

 

文岡さんは「奄美は物理的なこともあり、鹿児島の一部でもどこか少し遠い存在だったが、自身の代で島を含めた『鹿児島』を世界に発信していきたい。記念式典が、県人会と母県、日伯の緊密な関係構築につながることを願う」と話した。

 

文岡さんは10日間の滞在日程で、県庁や鹿児島市、鹿児島大学などを巡り、式典の広報活動を行う予定。