北海道産野菜の卸値高騰 名瀬中央青果

2018年09月18日

社会・経済 

地震発生以降、仕入れ価格が高騰している北海道産の野菜。小売店からも不安の声が聞かれる=16日、奄美市名瀬

地震発生以降、仕入れ価格が高騰している北海道産の野菜。小売店からも不安の声が聞かれる=16日、奄美市名瀬

  今月6日に発生した北海道地震の影響を受け、北海道産の移入野菜の高値が続いている。奄美市の名瀬中央青果㈱では約9割を北海道産に頼っているニンジンの卸値が平年の3倍近くまで高騰し、ジャガイモやタマネギも高値で推移。台風21号直撃による関西方面の交通網の乱れも高値推移を助長しているとみられ、小売関係者からは高値の長期化を懸念する声も聞かれる。

 

 名瀬中央青果によると、卸値の高騰が目立つのはニンジン、ジャガイモ、タマネギ、ダイコン、白ネギなど。地震発生後の平均キロ単価はおおむね、ニンジン380円(前年同時期140円)、ダイコン300円(同180円)、ジャガイモ250円(同150円)、タマネギ170円(同100円)前後で推移。白ネギも1束200円前後から350円前後まで跳ね上がっている。

 

 担当者によると、この時期に同市場に入荷する青果物の産地割合は、ジャガイモはほぼ全量が北海道産。ニンジンは約9割、タマネギも7~8割を北海道産が占める。他産地の生産物についても、大都市圏の市場への出荷が優先され「中央青果では数量の確保が困難」と説明した。関西地方への台風21号直撃の影響もあるという。

 

 今後の見通しについては「産地のライフラインや交通網の回復が進めば、徐々に入荷量が増える可能性もある」とする一方で、「産地の被害の規模次第では楽観視できない」とも。

 

 北海道産の野菜を同市場からの入荷に頼る小売店からは、今後の状況に対する懸念の声が聞かれる。

 

 奄美市内の青果店経営者は「現在流通しているのは、ほとんどが地震発生以前に生産され、ストックされていた野菜。産地のストックが切れた後にどうなるのか。生産者の被害状況がよく分からない中で、さらなる高値になるのではないか不安が尽きない」と表情を曇らせた。